靴底 shoe sole 2005 3 7
相変わらず、大学生の就職難の時代が続いていると聞きます。
しかし、その話を聞いていると、日本の将来に不安を感じます。
私が学生の頃も、不景気で、就職難でした。
だから、数多くの会社訪問をしなければなりませんでした。
しかも、当時は、学業に支障が出ないように、
就職活動は、真夏でした。
あれは、会社訪問の数が、40社近くなった頃だったと思います。
都心の気温が、ついに39度を超えて、
私は疲れ果ててしまい、もはや力尽きたと思いました。
そういう愚痴を友人に話したら、意外なことを言われたのです。
「靴底を見せて。何だ、たいして靴底が減っていないじゃないか。」
「靴底が減ってこそ、成果が出るのだ。」と言われました。
私自身は、苦労に苦労を重ねていると思い込んでいましたが、
その苦労は、主観的なもので、客観的なものではなかったのです。
友人の靴底は、ずいぶん減っていたと記憶しています。
今の大学生は、陽気のよい「4月、5月」に就職活動をすると聞きました。
そして、会社訪問の数が、30社にもなって、大変だとも聞きます。
若者に、知識や経験を求める人はいません。
若者に求めるものは、「熱意と努力」です。
しかし、今の若者は、「熱意と努力」という言葉を嫌い、
あるいは、軽蔑する雰囲気すらあるでしょう。
精神的な公害 spiritual pollution 2005 3 4
1990年代を、「失われた10年」として、
政府の経済政策の失敗を非難する声が多いですが、
民間企業には、全く、問題がなかったとは言えないでしょう。
民間企業も、「失われた10年」を作った張本人と言えます。
たとえば、テレビ局が「お笑い路線」を進めた結果、日本は、どうなったのか。
日本人みんなが、「お笑い路線」になってしまい、
「真面目に勉強する人」や
「真面目に働く人」が、バカにされる雰囲気ができてしまったのです。
「努力」という姿勢や言葉が、「格好悪い」とか「ダサイ」と言われるようになったのです。
これは、テレビ局が、まき散らした「精神的な公害」と言えるでしょう。
また、ゲーム機メーカーが、子供や若者に、
ゲーム機を売り込んだ結果、日本は、どうなったのか。
ただでさえ、テレビを見るから勉強時間が減っているのに、
その上、ゲームまでやったら、勉強時間がゼロになってしまうでしょう。
これもまた、ゲーム機メーカーが、まき散らした「精神的な公害」と言えるでしょう。
視聴率が取れれば、見境なく、下品な番組を作ってしまうテレビ局。
売れれば、何でもいいと考えるメーカー。
いつまでも、こうした「精神的な公害」を流し続けるならば、
政府は、こうしたテレビ局やメーカーを規制すべきです。
日本には、資源がないことを忘れています。
日本にある資源は、人的資源だけです。
それなのに、真面目に勉強しなくて、どうするのか。
真面目に働かなくて、どうするのか。